後遺症に関するQ&Aを掲載しています。
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※後遺症と思っていた症状が、他の病気が原因で、治療可能なこともあります。
 後遺症かもと思ったら、まずは医師の診察・診断を受けましょう。
 ここでは、他の病気の可能性が除外され、後遺症として対応するものについて記載しています。

後遺症を防ぐためにできることはありますか。

後遺症は年齢・性別、基礎疾患の有無や新型コロナ感染中の症状の重さなどとの関係も指摘されていますが、新型コロナに感染した全ての方に起こる可能性があるため、何より感染予防が大切です。

令和5年5月8日から法律上の位置付けが変わり、感染対策の実施については個人の判断となりましたが、新型コロナがなくなったわけではありません。感染症全般の予防のため、日頃から「手洗い・手の消毒」をすることに加え、新型コロナの感染流行時には、「換気」、「混雑した場所ではマスクをつけること」など、基本的な感染対策が引き続き重要です。

後遺症と思われる症状がある場合、どこを受診したら良いでしょうか。

後遺症を疑う症状がある場合には、激しい運動や無理な活動は避けて、まずかかりつけの医療機関や保健所等に相談してください。

かかりつけの医療機関がない、又はかかりつけの医療機関が後遺症の診療に対応していないなどの場合には、東京都に登録している後遺症対応医療機関から受診先をお探しいただけます。

後遺症対応医療機関の検索

後遺症に対してどのような治療を行うのでしょうか。

それぞれの症状に合わせて処方された薬を飲むことなどにより、症状を和らげたり、本人の症状や体調に合わせて生活を調整したりしながら、時間をかけて、回復してくるのを待つことが一般的です。すべての人に効く特効薬のようなものはまだありませんが、有効な治療法について、様々な研究が進められています。

後遺症の倦怠感や疲労感から回復するために、気を付けることはありますか。

主治医の指導のもと、体調や症状に合わせて、日常の活動と休養のバランスをとっていきます。「疲れが出てから休む」のではなく、「疲れる前に休む」ことが大切です。

具体的には、「できる範囲のことをする」、「頑張りすぎない」、「自分のペースで活動する」、「周りに手伝ってもらう」などです。また、「十分な睡眠をとる(夜更かしを避け、昼夜逆転しないようにする)」、「バランスのよい食事をとる」、「好きなことでリラックスできる習慣を身に着ける」ことなども心がけましょう。

咳・息苦しさ、ブレインフォグなど代表的な後遺症の症状別の注意点や回復のポイントはありますか。

【咳・息苦しさ】

  • 症状があることを踏まえて、無理のない計画を立てる
  • 最初は短時間でできることから始めて、徐々に時間を延ばしていく
  • 腹式呼吸を意識する

【ブレインフォグ・集中力低下】

  • 気を散らすものをできるだけ取り除く
  • やるべきことを忘れないようにメモを活用する
  • 物忘れなど気になる症状がある時は、周りの人にもあらかじめ相談しておく

【嗅覚・味覚障害】

  • 口の中を清潔に保つ
  • 本来の味やにおいを意識しながら食事をとる
  • 様々な食品を試し、楽しめるものを見つける

【不眠・睡眠障害】

  • 起床や食事の時間を一定にして、生活リズムを整える
  • 眠りやすくなる習慣を身に着ける

出典:厚生労働省研究班リーフレット 「新型コロナウイルス感染症の罹患後症状でお困りの方へ」

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001260389.pdf

後遺症が続く場合、活用できる支援制度はありますか。

後遺症の症状によって、社会生活に支障が生じている場合、一定の要件を満たすことにより、労災保険の給付や健康保険の傷病手当金等が受けられることがあります。

詳細は以下のページをご覧ください。

公的支援に関する制度(労災保険、健康保険、障害年金)

体調は以前より良くなりましたが、疲労感、息苦しさなどの症状が続いています。仕事への復帰に不安があるのですが、どうしたらよいですか。

職場復帰の目安については、主治医の指導のもと進めるようにしてください。復帰を進める場合、職場にも自分の健康状態について説明し、元の生活に戻るには時間がかかることや回復までの道のりは人それぞれであることを理解してもらいましょう。また、会社の休職制度や傷病手当金についても確認するとよいでしょう。

復帰に当たって、業務内容や勤務時間について配慮を希望する場合には、希望する配慮内容を本人から職場に申し出ることが原則です。職場に復帰した際、無理をすると症状が悪化することがあります。症状が強い場合には、安静・休養をとるようにしましょう。

後遺症に悩んでいる労働者が職場復帰する際に、事業者としてどのような点に留意すればよいでしょうか。

職場復帰する際に、労働者本人の生活リズムや業務遂行能力が回復していることを確認しましょう。

その際、本人に求める業務内容について、事業者として本人に説明し、しっかりと復帰前に合意を得ることが重要です。

また、職場復帰後に安定的に働けるように、仕事に対する配慮(就業上の措置)や治療に対する配慮を検討することも重要です。仕事に対する配慮は、業務を行う上でどのような配慮を希望するのか、まずは本人が検討し、本人から職場に申出を行うことが原則です。事業者の側からも申し出を促すとより良いでしょう。

申し出に基づき、本人と職場の上司とともに配慮内容を検討しましょう。職場からの一方的な配慮は、本人の為にならず、かえって逆効果となるおそれがあることから注意が必要です。また、職場復帰後も、本人との面談などを通じて、健康状態や仕事の状況などを確認し、配慮内容を定期的に見直します。

後遺症に悩んでいる労働者がいます。治療と仕事の両立を支援したいのですが、職場ではどのようなことに取り組めばよいですか。

休暇制度・勤務制度について、職場の実情に応じて検討・導入することが望まれます。

また、労働者本人の職場での困りごとを確認し、仕事に対する必要な配慮を本人とともに検討しましょう。

【例】
時間単位の年休制度、傷病休暇・病気休暇、時差出勤制度、短時間勤務制度、テレワーク、試し出勤制度など


出典:

厚生労働省ホームページ 新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)について
「6.治療と仕事の両立について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00402.html#h2_free9


後遺症は、除外診断(他の疾患を否定する)が重要ですが、現在の医学では、他の疾患でないことを証明することは容易ではなく、確実な診断が難しいことから、事業者と医療職が連携して両立支援にあたることが重要です。

後遺症についても、労災保険給付は受けられますか。

職場の業務によって新型コロナに感染した後、症状が持続し(後遺症があり)、療養等が必要と認められる場合も労災保険給付の対象となる場合があります。

労災保険の請求手続き等については、事業場を管轄する労働基準監督署にご相談ください。

東京労働局のページ

東京都内の労働基準監督署

子供が後遺症から回復し、徐々に学校生活に戻るために、家庭・学校・医療機関はどのようなことをしたらよいでしょうか。

家庭・学校・医療機関がそれぞれの役割を通して、後遺症に悩む子供をサポートすることが大切です。

  • 家庭:生活の見守り
  • 学校:学習のサポート、支援
  • 医療機関:診断・治療、家庭・学校における医療的なアドバイス

参考:保護者向けリーフレット、教職員向けハンドブック

後遺症に悩む児童・生徒や保護者に対して、学校(教職員)はどのような対応が必要ですか。

学校(教職員)は、児童・生徒、保護者が安心して治療に専念でき、焦ることなく学校生活への適応、復帰をイメージできるよう共感的な態度で接し、支援していくことが重要です。

【例】

  • 学校における相談先(担任、養護教諭、スクールカウンセラーなど)を、児童・生徒、保護者に周知しておく。
  • 相談があった場合、定期的に面談を行い、児童・生徒、保護者からの配慮の希望等を確認し、状況を把握する。
  • 教職員とスクールカウンセラーとの間等で連携し、対応を協議する。その上で、児童・生徒、保護者に学校の方針を伝える。

参考:教職員向けハンドブック

学校における対応や配慮の例としてどのようなものがありますか。

【例】

  • オンラインを活用した学習の実施
  • 部分登校・保健室登校
  • 通学手段の調整(保護者による車での送迎、自転車通学等)
  • 教室移動でのエレベータ利用
  • 冷暖房の調整、座席位置の配慮
  • 体育の見学、代替手段の検討
  • 宿題・課題の提出期限の延長
  • 定期考査時の配慮    等

参考:教職員向けハンドブック